薬剤師が目指す職場の中で、わりと人気があるのが病院薬剤師だといいます。これは希望者数が多いというのではなく、むしろ求人数が少ないことからくる倍率の高さを示しているともいえます。求人が少ない理由は転職、離職者が少ないという事のようです。それだけ安定した職場だと言えるかもしれません。
病院薬剤師の平均的な年収の幅は400〜650万円です。薬剤師全体の平均年収が25年度で533万円と言いますから、ちょうど中堅どころです。初任給は20〜25万円で初年度年収が300〜350万円あたりになっていました。最近のドラッグストアや薬局の初任給が30万円前後と上がってきているところを見れば、やや低めの感じがあります。また入社後の給与の伸び率もさほど大きくなく、30代や40代の方であっても年収400〜500万円というのは珍しくありません。それに50歳前後で昇給が止まる傾向があるとも言います。そのピークの年収でも600万円ぐらいだそうです。
ですが、国立病院の公務員薬剤師の場合は、民間病院の薬剤師と比べて年収が高くなっています。特に国立の大病院ならば公務員の給料ベースに準じているので好待遇になるのです。しかし小さな市立病院だと、そこまではいかないようです。このように、他業種と比べて収入的に恵まれているとまではいえないかもしれません。ランキングサイトによると薬剤師の生涯賃金は1位が製薬会社で、ちょっと下がって2位にドラッグストア、そして3位の薬局に4位が病院薬剤師となっていました。
それでも多くの薬剤師が病院薬剤師を選ぶのは、安定した職場環境だと言えるでしょう。人員の入れ替えの少ない、決まったルーチンワークで変化の少ない病院薬剤師の毎日は、落ち着いたライフワークを実践できるでしょう。製薬会社や薬局から見て、仕事上の得意先になる立場も気が楽かもしれません。また、病院関係者との交流でスキルアップには良い環境なのです。最近では、チーム医療に参加して処方プランなどに関わるといった活躍も出来るようになっています。そんな環境が人気の理由かもしれません。
地方の医療事情が低下しつつあるなか、これからは都市部の細分化する活動も始まっていて、病院薬剤師もその数をカバーできていないのが現状です。ネットの薬剤師専門の求人サイトをご覧になれば、その状況がよく分かるでしょう。新しい職場をさがしているのなら、リクナビやマイナビ、ヤクステなどの求人サイトを確認してみるのはとても有益です。非公開の好条件の求人を捕らえる事ができますから、ぜひチェックしておきたいものです。