病院薬剤師は一般に同じ薬剤師の中でも給料が低い傾向にあります。薬剤師の全体的な平均年収は、平成25年度で533万円でした。これを基準に病院薬剤師の収入を考えてみましょう。現在の病院薬剤師の平均年収はおおよそ400〜650万円と言われています。初任期は300万円くらいから始まります。実際に病院薬剤師の中には、手取りで月給20万円を切ってしまう人が多いともいうのです。薬局やドラッグストアの薬剤師は初任給にもかかわらず、手取りで月給25万円以上の方が多い中では見劣りがする感じです。
では大学病院で働く薬剤師の平均年収や給料はどうでしょう。平均年収と同じ400〜600万円でした。仕事のハードさを考えると、むしろ安いと言えます。大病院だからといって高いわけではないのです。しかし、管理薬剤師の経験者ですと経験のない人と比べ100万円もの差が年収に出るとも言われています。薬局で管理薬剤師業務に就いていた方は、病院薬剤師としての年収アップの評価対象になるという事になります。
また,国立病院勤務の薬剤師の場合でも、400〜600万円ぐらいが相場になりますから、病院薬剤師の平均内と言えます。ただ、初任給の段階ではそれほど差がありませんが、国立病院の薬剤師は公務員待遇なので、歳を重ねるごとに昇給が高くなり、着実に勤務を続けていれば800万円に達することもあるようです。定年頃にはその差は大きく、200万円〜250万円ほどの差が出る場合があるようです。また、退職金の額も国立病院のほうが民間病院よりも高く、その差は1千万円以上だといわれています。
中・小規模のクリニック薬剤師の年収ですが、多くの求人データなどを参考にしてみると、これもやはり平均で400〜600万円というところがほとんどです。ですが、都心部などの来客の多いクリニック求人であれば、700万円以上という年収も存在してはいます。
この様に見ていくと、一般的には、病院薬剤師が他の薬剤師と比べて低めの収入になるのかもしれません。もっとも、病院勤務の薬剤師の場合は、他の薬剤師にはできない経験を得ることが出来ます。スキルに関しても学ぶ機会が多く、そのために年収以外のメリットを求めて就職する傾向があるようです。
とはいうものの、社会のニーズが膨らみ始めた今、その相場は変わりつつあるとも言えます。実際に年収7〜800万円の病院薬剤師の方は結構いるのですから。もし、新しい職場での活躍を求めている方はネットで、リクナビやマイナビ、m3.com、ヤクステにファルマスタッフなどの薬剤師専門求人サイトを見てください。その変わり様に気が付くはずです。